昨晩の「クローズアップ現代」

6/23(水)の夜、19:30からのNHK「クローズアップ現代」をご覧になった方はいらっしゃるでしょうか?
昨晩の主題は『「誤診」される認知症』という、ちょっと衝撃的なものでした。
番組HPは、こちら→http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=2904&ct=患者

番組のキャスター国谷さんに質問され応えていた医師をみてビックリ!
なんと私の同級生でした。

画像


写真は、当院で「アルツハイマー型および脳血管障害型両者を合併した認知症」と診断した方のMRIです。
海馬を観やすくするために、通常の水平断面ではなく、海馬の長軸に直行する様な冠状断面をT2強調像で撮像し、それを白黒反転させたものです。

番組で問題にしていたのは、老年期の精神異常を観る専門家が少ないことと、認知症の大雑把な診断のもとに見落とし、もっと言えば「誤診」があるということでした。確かに、最近の研究などから「認知症」を引き起こす原因は70を超える様々な病態があるということですが、実際はやはり「アルツハイマー型」と「脳血管障害型」および「両社の合併型」が多く、その他の原因は全体から観れば少ないと思います。
まだまだ不明な点も多く、確かに「誤診」されているケースも少なくないと思います。
私から言うと、「誤診」ではなく、「正しい診断するための手順を踏んでいない」医師が決して少なくないと思うのです。

認知症を疑うのに、簡単な「長谷川式認知症テスト」すらしていない。それよりも高度な高次機能テストなどもちろんしていない。さらに脳の病気なのに、脳MRIなどの検査もしていない。
それでどうやって正しい診断に至るのか、、、
「認知症」は除外診断が大事なのです。

脳卒中はないか、水頭症はないか、脳腫瘍はないか、、、そういった状態を確かめて「除外」してこそ、正しい診断へ迫る事ができると考えます。


番組中に登場した専門家である東京都健康長寿医療センターの部長粟田主一先生は、山形大学医学部での同期生です。堂々と、かっこよく、認知症とそれに関わる問題点を指摘していました。
ただ、どうしても限られた時間の中でいい足りない事がたくさんあったと思います。

認知症を診る専門家は、なにも「老年精神医学会認定専門医」だけではありません。むしろ神経内科専門医、脳神経外科専門医、そして精神科医が診療する事が多い疾患だと思います。問題は、それ以外の一般内科医や認知症はあまり診療経験のない精神科医などが診療することで「誤診」あるいは「正しい診断ではない」状況が生まれていると思います。

最低でも「認知症診断テスト」とMRIによる画像診断が必要です。

昨日の番組では(全国放送なのですが)、山形市の篠田総合病院が出てきました。「山形県認知症疾患医療センター」の立ち上げが紹介されていました。専門家がいるのですが少ないので予約が大変なようでした。
その紹介シーンで登場した精神科医がまたまた私の同級生でした!!!

山形大学医学部精神神経科准教授の川勝忍先生です。粟田先生も川勝先生も精神医学の世界で活躍している第一線の専門家であることは知っていましたが、全国放送のNHKに二人も同級生が出て来たので驚きでした。


認知症を疑った場合、老年精神医学学会認定専門医を受診出来ればそれがベストだと思いますが、200万人を超えると言われる患者数に対して、その専門家は1000人いないということでしたから、一人の専門家が2,000人を超える患者を相手にしなくてはならないことになります。
これは「不可能」というものでしょう。

一人の患者さんを一月に1回診察するとなると、2,000人の患者さんは年間延べ24,000人、1年間に診療日240日あるとすると、1日あたり100人の認知症患者を診なくてはなりません。1日8時間で100人の患者さんを診るには、一人4.8分平均の診療時間しかありません。まったく無駄なく、休みなく診療したとしてです。

ところが実際には、患者本人や家族から最近の状況などを聞いたり、話し方や反応を診たり、薬を処方したり、次回の予約をしたり、などしていると一人で10分位はあっという間、人によっては20分以上かかる場合も稀ではありません。

ここから逆に計算すると、一人の専門家が相手に出来る認知症の患者さんはせいぜい500人。じっくり診察したり検査をすることを考えると100~200人が限度ではないでしょうか。

では誰が診るのか。
それは、認知症の知識のしっかりした精神科医、神経内科医、そして脳外科医なのです。
日本の場合、脳外科医は米国の脳外科医のように手術ばかりしている「職人」ではなく、一人の患者さんを外来、入院、手術、リハビリ、検査などで全人的に診る、「専門職」なのです。


当院ではよほど特殊なケースでない限り、認知症の診断や治療は自信を持っておこなっております。

認知症およびその疑いのある方、またはご心配な家族の方はどうぞ当院を尋ねて来てみてください。
なにせ粟田先生、川勝先生の同級生ですからね。

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