庄内医師集談会迫る

ぼんやりしていた訳ではありません。
メインのブログ(http://flute-piccolo.air-nifty.com/)でも記事にしているように、院長が所属する市民オケ「酒田フィルハーモニー管弦楽団」の定期演奏会などで忙しくして、こちらのブログ記事更新を怠っていました。

さて、今週末11/28(日)は鶴岡で「第29回庄内地区医師集談会」があります。
毎年、酒田と鶴岡で交替で開催しているもので、私は開業後毎年何らかの演題を発表するように心がけています。

1年目の平成20年には「開院後9ヶ月間でMRIにて見つかった病変について」、2年目の昨年は「頭痛外来、特に薬物乱用性頭痛について」発表しました。

3年目の今回は、2つも演題を出しました。
プログラムを見ると、日本海総合病院や荘内病院などの病院勤務医の演題の他には、一般開業医が出した演題は5つだけで、そのうち2つが私の発表ということになります。

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★一つは今年の「日本脳ドック学会総会」のシンポジウムでも紹介したOsiriXを用いた3次元脳血管撮影、3dMRAの紹介です。Volume renderingを行い3次元処理をする事によって、どの方向からも観察する事が出来ます。

通常のMRI装置付属のコンピュータでMIP処理と言って作られるMRAは、3次元は3次元なのですが回転させる方向が水平と垂直の2方向に限られている事が多く、観察診断する医師はその結果をフィルムにプリントされたものを見て判断することになります。

当院で採用しているOsiriXを使うと、患者さんの目の前で作成したばかりの3dMRAを回転させたり、拡大縮小したりして具体的に診断し説明が可能です。この優れた点を強調し、パソコンで「実演」する予定です。


★もう一つは、昨年も発表した「薬物乱用頭痛」について、「その後」を発表する予定。
薬物乱用頭痛は、治療に当たる医師と当該患者さんがお互いを理解し我慢強く説明し理解し納得して治療に当たれば、かなり良くなります。

我がままな傾向の患者さん(医師の言う事を聞かない、自分の判断で薬を服用する)はなかなか良くなりません。というか続けて受診せずにいなくなってしまう傾向があります。

当院の外来でお渡ししている「頭痛ダイアリー」を真面目に記録して受診の度に持って来られる様な患者さんは、まず全員が鎮痛剤乱用からは離脱出来、片頭痛に適切な頓挫薬を使用して落ち着いてきます。
酷い時には毎日片頭痛治療薬を1個、鎮痛剤を3~4個、これを何ヶ月も続けていた様な患者さんが、今では鎮痛剤は1ヶ月に1、2回、片頭痛治療薬を3回程度に落ち着いて来ているのです。

薬物乱用頭痛をきちんと診断し、指導し、治療することは、患者さんにとってもちろん福音ですが、嵩み続ける膨大な医療費を減らす面でも少しは役に立つのではないかと思います。

毎日鎮痛剤を3個、1年で1000個、3年で3000個、加えて片頭痛頓挫薬を月に20回以上、1年で300個ぐらい使っていると、10割負担計算での薬価は合計で一人の患者さんがおよそ「40万円」程の薬剤代を使っていることになります。

薬物乱用頭痛でコントロール出来ていない患者さんが全国にどのくらいいるのか、まったくわかりませんが、勝手な計算では2、3年あたりで「60億円」薬代が使われている可能性があります。

その計算根拠は、人口およそ20万人程度の地域(酒田+α)を担当する当院に2年半で30名の薬物乱用頭痛患者が来ていますので、全国的には単純計算でその500倍の15000人程度は存在する可能性があると考えられるからです。

医師の処方を必要としない、一般の痛み止めはもっと使われていますから、実際は「頭痛」の為に日本国内で使われている薬代はもっと膨大な額になるはずです。製薬会社はタレントを使って(当然高い出演料を払って)テレビで「痛み止め」「頭痛薬」の大々的なコマーシャルをしています。それだけ売れて儲かっているのでしょう。


「頭痛に対して、安易に痛み止めを使わないように」
「痛み止めを使い続けると『薬物乱用頭痛』になる危険性がありますよ」
「軽い頭痛ぐらいは我慢するとか、肩こりに伴う様な頭痛は運動するとかストレッチするなど自分で対応して、直ぐに薬に手を出さないように」

などと教育する医師は、患者さんから見れば「クレと言ってもすぐに薬を出さない、うるさい、嫌な医者」と煙たがられたり嫌われたりするかもしれません。それでも「正しい医療」を行う事こそが、本当の意味での「患者の為の医療」だと、不肖私は思っているのです。

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